マワタデクルム。

R1818歳未満の方は移動してください。 この作品には[ボーイズラブ要素][暴力表現]が含まれております。

あらすじ

大学2年の秋。
入学当時から片想いをしていたに小野さよ子にフラれた春野知広は、憂さ晴らしに一緒に飲んでた佐々木善之介に無理矢理犯され…

真綿で首を締めるように。
佐々木に追い詰められていく春野の話。

※個人的にはハッピーエンドのつもりです
多分人それぞれ好みがあると思うのですが。
※エロは予告なくちょいちょい入ります。
※残酷描写はあまりありませんが、一部暴力的です。

【第1話】 2019.7.5投稿2019.7.6最終更新

春野知広が小野さよ子にフラれた話

オレがさよ子にフラれたのは、大学2年の秋だった。 なんでも好きな男がいるのだそうだ。 さよ子は同じゼミの同級生だ。 彼氏いないってリサーチぐらいはしてたし。 いい感じで仲よくなれてると思ってたけど、俺は「いい友だち」らし […]

【第2話】 2019.7.6投稿2019.7.6最終更新

春野知広が小野さよ子にフラれた話

「諦めないわけじゃないんだよ!?ストーカーじゃないんだから!!!すみませーん!焼酎2つと!!!あとウィスキー…ロックで!!!」 生ビールのジョッキを煽って、注文したぐらいから記憶は曖昧。 善之介が飲みに誘ってくれたもんだ […]

【第3話】 2019.7.6投稿2019.7.6最終更新

佐々木善之介の話

ちいさいころは、おかあさんがいませんでしたが、おとうさんとしあわせにくらしていました。 きのうは、となりにすんでるゆきちゃんにすきだといわれました。 きょうは、としうえのかおりちゃんにすきだといわれました。 でもぼくはど […]

【第4話】 2019.7.7投稿2019.7.7最終更新

佐々木善之介の話

入学式。 例年に比べて遅咲きの桜が舞い散るなか、私が初めて見たのが、春野知広だった。 久々に見た桜の花の下、花に負けじとピンクに染まった彼の頬と唇が印象的だった。 「あ。」 ふいに吹いた春風に、知広くんの持っていた入学式 […]

【第5話】 2019.7.7投稿2019.7.7最終更新

佐々木善之介の話

何度忘れようと思ったかは分からない。 知広くんは男なんだ。 女が好きな男なんだ。 小野さよ子が好きな男なんだ。 何度も忘れようと思った。 もし、ともぴょんが、さよ子とうまくいかなかったら? そのときはチャンスなんだろうか […]

【第6話】 2019.7.9投稿2019.7.9最終更新

昨日の出来事

昨日のことは覚えていない。 春野知広は思った。 例え覚えていたとしても、覚えてない。 昨日は、さよ子にコクって、フラれて、善之介と酒飲んで 泥酔して、家まで送ってもらって、それから… それから…? 「ケツいて。」 起きた […]

【第7話】 2019.7.10投稿2019.7.10最終更新

春野知広の引っ越し

女に振られ、男に掘られたあの悪夢のような日から1ヵ月が経とうとしている。 毎週のようにさよ子とはゼミで会うけども、授業で話す以外は話すことも特にはない。 そういえばこの前、帰り際に 「サークルの忘年会には善之介くんと来て […]

【第8話】 2019.7.11投稿2019.7.11最終更新

春野知広の引っ越し

確かにオレは引っ越すことを決心したんだけど。 アパートの部屋のオレの荷物がない。 ない! ない! キレイさっぱりない!!! 脱ぎっぱなしで置いてた服も! 敷きっぱなしの布団も! 読まずに積んどくだけの本も! どこへ!?! […]

【第9話】 2019.7.12投稿2019.7.12最終更新

春野知広の引っ越し

善之介の家は四ッ谷番町にあった。 新宿通りを奥に入ったところの大きなマンションが立ち並ぶ、そのひとつが善之介の家だ。 親の所有するマンションのひとつなのだそうだ。 エレベーターで20階…最上階に昇る。 ドアを開けると廊下 […]

【第10話】 2019.7.13投稿2019.7.13最終更新

春野知広の引っ越し

「…あ…んっ…」 オレの住んでたボロアパートとは気密性が違うのだろうか。 風呂場はかなり蒸して息苦しい。 湯加減も少し温めなのかもしれない。 蒸気が上がり、石鹸の香りだろうか。 蒸気とともになんとも言えないいい香りが充満 […]

【第11話】 2019.7.14投稿2019.7.14最終更新

春野知広の引っ越し

気がつくとオレは大判のバスタオルにくるまれ、ベッドに寝かされていた。 カーテンは敷かれ、ダイニングの方から漏れている明かりで、ぼんやりと薄闇のなかだった。 もう夜か。 あまりにもしつこく弄り回されたからか、下半身が熱を持 […]

【第12話】 2019.7.15投稿2019.7.15最終更新

マワタデクルム。

蜘蛛の巣に蝶が引っ掛かっている。 そのまま放っておくと、やがて蝶は蜘蛛に補食されてしまうのだろう。 君はかわいそうに思って蝶を逃がしてやるだろうか? オレはどうだろう? あるいは、オレは、蜘蛛の方をかわいそうに思うかもし […]

【第13話】 2019.7.16投稿2019.7.16最終更新

春野知広とその母親の話

セックスしたあと、オレたちは眠っていたようだ。 風呂場で失神したせいもあったのかもしれない。 今日もいろいろあって疲れてしまった。 今ただ眠りたい。 現実が夢なのか。 夢が現実なのか。 夢か現か分からなくなればいい。 善 […]

【第14話】 2019.7.17投稿2019.7.17最終更新

春野知広とその母親の話

授業があるから。 善之介は一限目から学校に行った。 オレは、ぼんやりしながら朝の情報番組を見てた。 ふとケータイを見ると珍しく、昨日、母からの電話があったようだった。 着信が1時間ごとに3回ほど入っていた。 「…もしもし […]

【第15話】 2019.7.18投稿2019.7.18最終更新

春野知広とその母親の話

母との電話を切ったオレの頭のなかは明晰だった。 昨日の夜、善之介とセックスして。 朝微睡みながら、善之介とセックスして。 ぼんやりと時間を過ごしていたが、母親の声だけで、現実に引き戻されてしまった。 母は偉大。 現 実 […]

【第16話】 2019.7.19投稿2019.7.19最終更新

小野さよ子の話

ついに架純にも彼氏ができたかー… 友だちが幸せなことは喜ばしいことだが、小野さよ子は自分だけ恋人がいないことに内心焦っていた。 今年のクリスマスまでにはあと2ヶ月をきっていて、去年一緒に過ごした友だちはみんなめでたく恋人 […]

【第17話】 2019.7.20投稿2019.7.20最終更新

入来昭仁の話

さすがに11月ともなると夜は冷え込むなと入来昭仁(いりきあきひと)は思った。 寮住まいだから部室まですぐそことはいえ、風呂上がりの身体だ。 もう一枚上に着てればよかった。 ケータイなくしたことといい、今日は失敗続きだ。 […]

【第18話】 2019.7.21投稿2019.7.21最終更新

入来昭仁の話

男子学生用の学生寮は学校と同じ敷地内の奥まった一角だ。 靴が乱雑に散らばる玄関から見える階段を昇り、2階に入来昭仁の部屋はあった。 昭仁の部屋は一学年上の先輩と相部屋だった。 この寮は、学年が上に上がると独り部屋になるよ […]

【第19話】 2019.7.22投稿2019.7.22最終更新

春野知広と小野さよ子の話

ほどなく、ベッドの方からは、入来昭仁の穏やかな寝息が聞こえてきた。 ―いつ男に犯されるか分からない。 身を堅くしていた知広は、身体に入った力を、ようやく抜くことができた。 入来くん、いいヤツだなぁ。 そんないいヤツを疑っ […]

【第20話】 2019.7.23投稿2019.7.23最終更新

春野知広と小野さよ子の話

さよ子と二人きりで飲むのは初めてかもしれない。 お昼を食べたり、お茶したり、そういうことは何度かあったけれども、夜こうして二人きりで会うのは初めてだ。 それにしてもさよ子にフラれて約1ヶ月。 自分からフッておいて、今さら […]

【第21話】 2019.7.24投稿2019.7.24最終更新

春野知広と小野さよ子の話

「よろしくお願いします。」 さよ子の声が聞こえた。 思わず頭をあげるオレ。 さよ子が頭を下げていた。 「こ…こちらこそ!」 慌てて頭を下げなおすオレにさよ子が微笑んだ。 この後のことは覚えていない。 味とかよく分からない […]

【第22話】 2019.7.25投稿2019.7.25最終更新

春野知広と小野さよ子の話

さよ子の部屋は意外にもこざっぱりはしているものの、程よく女性らしい部屋だった。 白を基調にしたインテリアで統一されているからかもしれない。 「インテリアで統一」とはいっても、6畳一間にシングルベッドとローテーブル、テレビ […]

【第23話】 2019.7.26投稿2019.7.26最終更新

ハニトラ!

「おはよ。よく眠れた?」 目覚めるとさよ子がいる。 久々にみそ汁のいい匂いをかいだような気がした。 手づくりの朝飯がうますぎて、朝からおかわりしたのは高校生以来だ。 朝飯を食べたオレは学校に行く準備をした。 「今日は何時 […]

【第24話】 2019.7.27投稿2019.7.27最終更新

ハニトラ!

善之介の声は笑っているが、全く笑っていない目に、静かな怒りが伝わってくる。 ―なんで、善之介がさよ子の家に? 驚きと恐怖で、オレはその場に立ちすくんだ。 「ごめんね、春野くん。嘘ついてぇ。」 キッチンのほうにいたさよ子が […]

【第25話】 2019.7.28投稿2019.7.28最終更新

ハニトラ!

「…なんでもするから!!!」 さよ子のほうに向かおうとする善之介にすがりつき、オレは懇願した。 「なんでもするからさよ子には手をあげないでくれよ…」 善之介は目を細めてオレを見た。 「…じゃあ、舐めて気持ちよくしてよ。」 […]

【第26話】 2019.7.29投稿2019.7.29最終更新

ハニトラ!

善之介の舌が唇から首筋を伝っていく。 その手はケツを撫でながら、割れ目へ。 そして、穴へと這って行く。 「…あ」 指が挿入される。 人差し指だけだったのが、中指、薬指と入れられ、なかでバラバラと動かされ、腸壁を刺激させる […]

【第27話】 2019.7.30投稿2019.7.30最終更新

ハニトラ!

「じゃあな。」 善之介がさよ子に声をかけたとき、さよ子は風呂場でガタガタ震えていた。 「ともぴょんもなんか言ったら?」 さよ子が顔をあげた。 「…じゃあ…ね…」 さよ子はなにか言いたげだったが、オレはさっさと踵を返した。 […]

【第28話】 2019.7.31投稿2019.7.31最終更新

繭の中

ベッドの脚から鎖に繋がれてるんだ。 ベッドの脇にはポリバケツが置かれていて、善之介の留守中はそこで用を足す。 オレは裸に白いバスローブを着て、学校へ行く気力もなく、日がな一日、ただ寝ていた。 ただ寝ているだけでも、腹減る […]

【第29話】 2019.8.1投稿2019.8.1最終更新

繭の中

月曜日。 オレは、朝から善之介に学校まで送ってもらった。 帰りは、善之介の授業が終わって迎えに着てもらうまで、図書館で待ってることになった。 文系のオレは、善之介とは校舎が違う。 「じゃまた、夕方。待ってるね。」 車を降 […]

【第30話】 2019.8.2投稿2019.8.2最終更新

繭の中

久々に出た講義は思いの外進んでいた。 立て続けに講堂での授業が続く。 オレは後ろの隅っこのほうに座り、できるだけ目立たないようにして、授業をやり過ごした。 こうして、無難に月曜日がすぎ、火曜日がすぎ、水曜日。 朝は善之介 […]

【第31話】 2019.8.3投稿2019.8.3最終更新

干からびた蛹

「…また派手にフラれたね。」 背後から聞き覚えのある声が聞こえる。 振り向くとそこには入来昭仁(いりきあきひと)が立っていた。 「大丈夫?むっちゃいい音してたけど。」 「…あ…うん。…まぁ。」 オレはまだ少しヒリヒリ痛む […]

【第32話】 2019.8.4投稿2019.8.4最終更新

干からびた蛹

「…ちょ、ちょっと!…善之介!?どーしたの!?!?!?」 善之介は知広の手をつかんでずんずん歩いていく。 「腕痛ってーよ!善之介!?離してよ。」 善之介はトイレに入ると友広を個室に投げ入れ、後ろ手に鍵をかけた。 知広は個 […]

【第33話】 2019.8.5投稿2019.8.5最終更新

干からびた蛹

「くわえてよ。」 家に帰っても善之介の暴力的なセックスは続いた。 抵抗もできず、言われるがままに善之介のぺニスをくわえた知広の頭を押さえつけ、善之介は無情にも腰をふる。 喉の奥を突き上げられ、むせかえるのを必死に耐え、涙 […]

【第34話】 2019.8.6投稿2019.8.6最終更新

干からびた蛹

次の日の放課後。 知広は誰ともしゃべらず図書館でレポートに取り組みながら、善之介が迎えに来るのを待っていた。 図書館二階の窓際の四人がけの席。 借りてきた本をパラパラ捲りながら、引用箇所をノートに書き写す。 「昨日の怖い […]

【第35話】 2019.8.7投稿2019.8.7最終更新

干からびた蛹

図書館の三階以上はより専門的で古い資料の書庫になっていて、よほど熱心な学生でない限りほとんど足を踏み入れる人はいなかった。 「…あ。」 後ろから耳を舐められ知広の吐息が漏れる。 古い書籍の紙のにおいがする。 動くたびギシ […]

【第36話】 2019.8.8投稿2019.8.8最終更新

干からびた蛹

射精するごとに干からびていくみたいだ。 オレはともぴょんを愛してる。 だのに、なぜ、ひどくして傷つけてしまうのだろう。 嫉妬に狂い、壊れていく自分。 そして、大切なはずのともぴょんを壊してしまいそうな自分。 嫉妬と自己嫌 […]

【第37話】 2019.8.9投稿2019.8.9最終更新

村瀬悠希の話

「佐々木くん、これから帰る?ちょっと相談したいんだけど。」 佐々木善之介は村瀬悠希(むらせはるき)とクラスメートだったが、話したことはほとんどなかった。 まともに話したのはこの日が初めてだった。 明るい茶髪のふわふわした […]

【第38話】 2019.8.10投稿2019.8.10最終更新

村瀬悠希の話

知広は善之介にLINEを送った。 「善之介どうしたの?大丈夫?」 「うん。」 「今どこにいる?」 メッセージは既読になったものの、そこから返事は特になかった。 電話もかけたが出てくれなかった。 なにか事故でも起こしたかと […]

【第39話】 2019.8.11投稿2019.8.11最終更新

村瀬悠希の話

月曜日は学校に行き、知広はいつものように図書館で善之介を待っていた。 「閉館でーす。」 階下から守衛のおじさんの声がする。 ―9時か。 知広は時計を見た。 夕飯も食べず、放課後から善之介が迎えに来るのを待っていたが、アイ […]

【第40話】 2019.8.12投稿2019.8.12最終更新

村瀬悠希の話

一晩明けて、知広は善之介の通う医学部の校舎に行ってみることにした。 駐車場に停められている善之介の車を探して、帰ってくるのを待つ作戦に出た。 …若干軽くストーカー気質 知広は自分でも感じたが、電話もLINEも通じないまま […]

【第41話】 2019.8.13投稿2019.8.13最終更新

キングの話

「ともぴょーん、映画みたいじゃーん。」 誰もいないと思っていたのに。 拍子抜けに明るい声で話しかけられ、知広は目をごしごしぬぐい、真っ赤になった顔を隠すように上目使いに正面を見上げた。 「ん。彼氏とでもケンカした?」 目 […]

【第42話】 2019.8.14投稿2019.8.14最終更新

キングの話

「オレ、ゲイビの男優やってんの。これでもキングっつって。その筋じゃ有名なのよ?」 …ゲ、ゲイビですかー!?!?!? 知広は叫びたくなるほどの驚きを、心の奥底にしまった。 本人を目の前にして傷つけるわけにはいかない。 善之 […]

【第43話】 2019.8.15投稿2019.8.15最終更新

キングの話

「…あ…イヤ…や、やめて…」 骨盤からさらに奥へ。 股間に伸ばそうとする坂本の腕を、知広は両手で掴んで止めようと突っ張った。 「なんで?超硬くなってんじゃん。」 坂本が舌舐めずりしながら言う。 「逆につらくない?」 知広 […]

【第44話】 2019.8.17投稿2019.8.17最終更新

遠い夜明け

どれだけ眠っていただろう。 ふと目覚めた知広は、時間が気になり携帯を見た。 「今、どこにいる?」 善之介からのLINEの通知画面に目を見張る。 …ヤ、ヤバい!!! 知広は反射的に思った。 時計は午前5時を少しすぎたところ […]

【第45話】 2019.8.21投稿2019.8.21最終更新

遠い夜明け

知広が急いで家に帰った。 玄関のドアノブを回すと鍵が開いている。 知広は恐る恐るドアを回し、扉を開けると暗い玄関に入った。 暗い廊下の奥から少し光が漏れているような気がする。 「た…ただいま…」 廊下の奥の扉を開けながら […]

【第46話】 2019.8.22投稿2019.8.22最終更新

春野知広と村瀬悠希の話

目覚めると日は高く昇り、時計の針は12時すぎを指していた。 カーテンを開けると眩しい光が部屋のなかを明るく照らし出す。 善之介はすでに出掛けたようだった。 ソファには夜寝るときに着ていたスウェットと毛布がかけられていた。 […]

【第47話】 2019.8.23投稿2019.8.23最終更新

春野知広と村瀬悠希の話

夜の学食は人もまばらだった。 知広と坂本は学食の一番端のテーブルに向かい合わせに座った。 坂本はカレー。知広はかに玉を、それぞれオレンジのトレーにのせて食べていた。 学食を待ち合わせに指定したのは知広だった。 また居酒屋 […]

【第48話】 2019.8.24投稿2019.8.24最終更新

春野知広と村瀬悠希の話

「ともぴょーん、大丈夫?」 テーブルに突っ伏したままの知広に、坂本が話しかける。 「…よかったじゃん。彼氏と終わってなくて。」 知広の髪に触れて微笑む坂本が、心なしか寂しそうなのを悠希は感じ取った。 「…よくない。…全っ […]

【第49話】 2019.8.25投稿2019.8.25最終更新

春野知広と村瀬悠希の話

「…これ?坂本???」 知広は坂本主演のゲイビデオのパッケージと悠希の顔を交互に見た。 悠希が真っ赤になって恥ずかしそうにうつむく。 ラックをよく見ると一区画が全部坂本出演のゲイビデオになっていた。 「全部坂本?全部持っ […]

【第50話】 2019.8.26投稿2019.8.26最終更新

春野知広と村瀬悠希の話

早送りを止めると男の気持ち良さそうな喘ぎ声が流れる。 肌と肌が触れあう音、荒々しい息づかい、ベッドの軋む音がやたらエロティックだ。 日焼けした坂本の程よく筋肉のついた二の腕。 肘から手首にかけての筋がキレイに浮き上がって […]

【第51話】 2019.8.27投稿2019.8.27最終更新

春野知広と村瀬悠希の話

二人は顔を見合わせた。 童貞であることを告白してしまった知広がバツの悪そうな顔をする。 悠希は知広の頭をクシャクシャ撫でながら、微笑む。 「…いいよ。僕、処女はキングのために取っとくから。兜合わせでイこ?」 知広と悠希は […]

【第52話】 2019.8.28投稿2019.8.28最終更新

春野知広と村瀬悠希の話

深夜の来客に玄関を見に行った悠希が血相を変えて戻ってきた。 「さ…佐々木くんが来てる!」 「えぇ!?!?!?」 小野さよ子の家で殴り回され犯された嫌な記憶が甦る。 「…善之介にここにオレがいること知らせたの?」 焦って問 […]

【第53話】 2019.8.29投稿2019.8.29最終更新

佐々木善之介と村瀬悠希の話

知広に距離を起きたい気持ちを伝えたあと、二人は特に話さなかった。 その晩も、善之介はベッドを知広に譲り、ソファで寝た。 ここのところ毎晩ソファで寝ているからだろう。 あまり疲れがとれていないのを善之助は感じた。 「今晩… […]

【第54話】 2019.8.31投稿2019.8.31最終更新

佐々木善之介と村瀬悠希の話

村瀬悠希は昨日の晩から、春野知広と佐々木善之介のことを心配していた。 二人は帰っていったけど、仲直りできただろうか 知広とセックスしたことはバレてはいないだろうか 酒が入っていたことだし、入れてもいない。 いろいろな言い […]

【第55話】 2019.9.1投稿2019.9.1最終更新

佐々木善之介と村瀬悠希の話

「…は、春野くんに悪いから。」 善之介に他意はないと思うのだが、今の悠希には抵抗があった。 善之介が沈黙する。 長い沈黙が続き、次の授業が始りそうだった。 人が疎らになり始める。 「そろそろ僕らも行こうか…」 この場から […]

【第56話】 2019.9.2投稿2019.9.2最終更新

失恋キング

後ろから3列目の窓際。 大教室での講義の時間の坂本の定位置だ。 この日も坂本は、講義を流し聞きしながら、ぼんやりと窓の外を眺めていた。 晴れた空を雲が流れていく。 いつものようにぼんやりと外を眺めてはいるが、頭のなかは知 […]

【第57話】 2019.9.3投稿2019.9.3最終更新

失恋キング

乾燥して埃っぽい教室は西陽が差し込んで、オレンジ色に染まっていた。 机や椅子の長い影ができている。 知広は教室の後ろで壁にもたれ、坂本の求めるがまま唇を許しながら、影が伸びていくのをぼんやりと眺めていた。 「…はぁ。」 […]

【第58話】 2019.9.4投稿2019.9.4最終更新

失恋キング

「や…あっ!!!」 壁に追い詰められながら、知広は無我夢中で腕を伸ばして抵抗した。 殴られた衝撃で、頭は朦朧とする。 「オレのものになれ!」 坂本が知広の両腕を掴み、壁に押し付け、唇にむしゃぶりつく。 「んっ…ふっ…!」 […]

【第59話】 2019.9.5投稿2019.9.5最終更新

春野知広と入来昭仁の話

暖かくはなっていているものの、日が沈むと風が冷たい。 キャップをかぶりうつむき加減なのでよくは見えないが、泣き腫らした目が痛々しい。 何も話しかけない昭仁の後ろを、知広はただただついて歩いた。 「はい。」 カフェテリア脇 […]

【第60話】 2019.9.7投稿2019.9.7最終更新

春野知広と入来昭仁の話

大学敷地内の奥に、昭仁の住む学生寮はある。 相も変わらず靴が散らばる、雑然とした玄関を通り抜け、階段を昇る。 入来昭仁の部屋は2階にあった。 知広がこの部屋に来るのは、善之助の家から逃げてたとき以来二度目だ。 「…ありが […]

【第61話】 2019.9.8投稿2019.9.8最終更新

春野知広と入来昭仁の話

知広が目覚めると毛布がかけられていて、隣のベッドから昭仁の寝息が聞こえていた。 泣き疲れて寝てしまっていたようだ。 時計を見ると午前四時。 知広は毛布にくるまりなおした。 ―善之介はどうしているだろう? 善之介のことがぼ […]

【第62話】 2019.9.9投稿2019.9.9最終更新

春野知広と入来昭仁の話

トイレの窓からは月がきれいに見える。 薄闇のなか、月光がほのかに差し込んでいる。 夜明け前の底冷えがして寒々しく感じられ、知広は、早くここから抜け出したいと思った。 ―善之助… 知広は自らの股間に手を伸ばし、ゆっくりと上 […]

【第63話】 2019.9.10投稿2019.9.10最終更新

春野知広と入来昭仁の話

「…春野くん?」 トイレから部屋に戻った知広に、昭仁が気づいた。 「…あ…ごめん。起こしちゃった?」 起こさぬようにこっそり入ってきたつもりだった知広が謝る。 「…トイレ?」 「…うん」 扉から部屋の奥へ入ってきた知広の […]

【第64話】 2019.9.11投稿2019.9.11最終更新

King and Prince, vs…

学食を出てから、村瀬悠希の胸はざわつき続けていた。 佐々木善之介の前では平静を装い去ってきたものの、出席した授業中はずっと上の空だった。 佐々木くんとともぴょんが距離を置く。 それは自分のせいでもあるのだろうかと悠希は良 […]

【第65話】 2019.9.12投稿2019.9.12最終更新

King and Prince, vs…

佐々木善之介が家を出てから3週間が経った。 知広のいる家に帰るでもなく、シティホテルを転々としていた。 この日も授業が終わると、歓楽街に赴き適当に夕食を済ませ、ホテルに帰ろうとしていた。 LINEには知広から「会って話し […]

【第66話】 2019.9.13投稿2019.9.13最終更新

King and Prince, vs…

睨み付ける坂本の顔を、善之介もじっと見つめ返した。 悠希はどうすることもできず、二人をまごまごと見守っていた。 「…キング!なにやってんだ!?!?!?」 黒スーツの男が駆け寄ってくる。 スタッフと思わしき複数人の男たちも […]

【第67話】 2019.9.14投稿2019.9.14最終更新

King and Prince, vs…

「…撮影ってなんの撮影?」 黒塗りの車を見送りながら、善之介が口を開く。 悠希は黙って俯いた。 「………」 俯く悠希を、怒ったようにしかめっ面をして善之介が見つめる。 「ふっ…」 それを見て坂本が鼻で笑う。 「…お前に関 […]

【第68話】 2019.9.15投稿2019.9.15最終更新

春野知広と佐々木善之介の話

佐々木善之介がホテルに戻ると、シャワーを浴びた。 頭からシャワーを黙々と浴び、気持ちの整理をしたかった。 髪を拭きながらバスルームから出てきたそのとき、LINEの着信が鳴った。 春野知広からの着信だった。 「…もしもし? […]

【第69話】 2019.9.16投稿2019.9.16最終更新

春野知広と佐々木善之介の話

本当に望んでいた、予期せぬ喜びが訪れると、感情は言葉にならない。 拭っても拭っても、頬を伝い続ける涙を善之介は堪えることができなかった。 …と同時に、むくむくと沸き上がる情欲の炎。 「…善之介聞いてる?」 電話の向こうの […]

【第70話】 2019.9.17投稿2019.9.17最終更新

春野知広と佐々木善之介の話

「…善之介…オレのこと玩具にするの?」 電話口の向こうから知広の悲しみに満ちた震える声が聞こえる。 「嫌ならいいけど。」 善之介は鬼畜にも言い放った。 「…いい時間だし。電話も切るね。」 「ちょっ…ちょっと待って…」 知 […]

【第71話】 2019.9.18投稿2019.9.18最終更新

春野知広と佐々木善之介の話

「うっ…うんっ…うっ…」 知広は善之介の名前を呼びながら泣いていた。 「…善之介…善之介。」 ディルドで自らの出し入れするもののなかなかイクこともできず、中途半端に肉欲が刺激され、ぼんやりと感じることしかできなかった。 […]

【第72話】 2019.9.19投稿2019.9.19最終更新

春野知広と佐々木善之介の話

「はっ…はっ…はっ…あんっ…あ…」 知広は善之介の上に乗り、腰をぎこちなく揺らし始めた。 ベッドがギッシギッシと音をたてる。 「…善之介、気持ちいい?」 知広が大きく息を吐きながら、切なげに尋ねる。 「…ん…気持ちいい… […]

【第73話】 2019.9.21投稿2019.9.21最終更新

春野知広と佐々木善之介の話

春野知広は、裸でベッドに横たわったまま、激しく求め合い、濃厚に愛し合った余韻に浸っていた。 力強く突かれた臀部の刺激と、精液で汚されぬるぬるとした感触すら心地よい。 そんな知広の髪を、頬を、しばらく撫でていた善之介が、お […]

【第74話】 2019.9.22投稿2019.9.22最終更新

マワタデクルム。

蜘蛛の話を覚えているだろうか? 蜘蛛の巣に蝶が引っ掛かっている。 そのまま放っておくと、やがて蝶は蜘蛛に補食されてしまうのだけれども、どうするかって話。 君はかわいそうに思って蝶を逃がしてやるだろうか? オレは多分、違う […]

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