干からびた蛹

図書館の三階以上はより専門的で古い資料の書庫になっていて、よほど熱心な学生でない限りほとんど足を踏み入れる人はいなかった。

「…あ。」

後ろから耳を舐められ知広の吐息が漏れる。
古い書籍の紙のにおいがする。
動くたびギシギシと木の床の軋む音がした。

「あの男にどんなふうにいじられたの?」

善之介は後ろから手を回し、知広のズボンの上から股間をなで回した。

「…そんなこと…覚えてない。」

知広は困って善之介をいなした。

「じゃ…あの男とオレとどっちが気持ちいい?」

「ぜ…善之介に決まってんじゃん。」

知広のぺニスを弄り回してねっとり絡みつく精液を、善之介は尻の方にベッタリつけ回した。
ぬるりとした善之介のぺニスが知広のなかに入っていく。

「ひゃ…ん」

知広は甘い嬌声をあげた。

「ああああああああああああああああ。」

インクと埃っぽい書物のにおいに、いつもの善之介のにおいが混ざる。
図書館の資料室という知の集積の場で、「知」からは程遠いセックスをする背徳感であろう。
ジンジンと腰が熱を持ち、甘い刺激となって知広を貫くのだった。

「んっんっ…」

ここは図書館だから。
声をあげるのを飲み込む。
腹への圧迫感にいつもより敏感になる。

善之介がオレのなかに入ってきているのだ。

「…う…はぁ。」

腰を揺らしながら、知広は目をあけ、ふと窓の外を見た。
窓の外からこちらをじっと眺めている青年と目が合う。

「あ…ぜ、善之介…は…恥ずかしい…あ。あ…もう、離して…あん。」

「は…ガッチリくわえこんで離してくれないのは…ともぴょんのほうだよ。」

善之介が後ろから囁く。

「見られて、キュウキュウ締め付けてる。あ…」

窓の外の人物はじっとこちらを凝視して目を離さなかった。

「あっあっあっあっ…」

「…ともぴょん、別の男に見られてる方が感じるの?」

「違っ…あっ…んんんんっ…あっあっあっ…あ」

ぐったりとした知広をしばらく支えながら腰を振り、中に出す。
窓の外を見ると、窓の外の青年も踵を返して去っていった。

「今日はソファで寝るわ。」

家に帰ると善之介がおもむろに言った。

「お風呂も、ともぴょん適当に入ってよ。」

知広が夜独りで寝るのは、この家に越してきて初めてのことだった。
坂本にいじられたことを善之介は怒ってるのだろうか。

独りで寝るのにはキングサイズのベッドは広すぎた。
シーツからは善之介のにおいと精液のにおいが混ざって、なんともエロティックだった。

「…善之介。」

深呼吸すると、久しぶりに独りでゆっくり眠れる夜のはずなのに、知広はすでに固くなった自分自身を慰め始めた。

オレは善之介が好きなんだろうか。
男に欲情するようになってしまったんだろうか。

気持ちはよく分からない。
ただ淫らに濡れる下半身の熱と快楽。

「…ケツにも入れてよ。」

そして、自分自身をいじるだけでは物足りなくて、善之介がほしくなったのも本当。

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