二人は顔を見合わせた。
童貞であることを告白してしまった知広がバツの悪そうな顔をする。
悠希は知広の頭をクシャクシャ撫でながら、微笑む。
「…いいよ。僕、処女はキングのために取っとくから。兜合わせでイこ?」
知広と悠希は、再び濃厚なキスをしながらお互いの棹を擦り合わせて刺激し始めた。
「んっ…んっ…あ…はぁ…あっ!あっ!あっ!」
ちゅぷちゅぷという粘液の触れあう音。
唇の間から漏れ聞こえる喘ぎ声。
「…あっ…ちょ…村瀬くん、ちょっと待っ…あっ」
知広は自分が、多分人より感じやすく、それに早いことが分かっていた。
「ともぴょん…どうしたの?」
身を引く知広に、嫌われたのではないかと悠希が焦る。
「ちょ…ごめん。オレ、早いから…」
知広は悠希の股間に顔を近づけた。
「イクとき、一緒にイこ?」
知広が悠希の棹をチロチロ舐め始めた。
根本から先端へ。
先端まで舌を動かすと、そのまま唇にくわえこみ、舌を動かしながら夢中で吸った。
悠希の呼吸が荒くなり、棹の先端からぬるぬるとした我慢汁が出てくる。
「ん…はぁ…あっ………ともぴょん、もういいよ…」
知広は先端まで舐めあげ、ふぅとひと息ついた。
「続きしよ?」
二人は再び棹を合わせ、手を添え、前後に腰を動かし、お互いに刺激を与え始めた。
「…ん…んっ…あぁっ…」
切なく甘い声をあげる知広の唇を悠希が貪る。
「あっ…あっ…あっ…村瀬くんっ…あっ…村瀬くんもっ!」
二人の腰の動きが早くも激しくなっていく。
「…あぁっ!ともぴょん、イクっ!!!」
白濁した液がほぼ同時に二人の先端から、お互いの下腹部に向かって勢いよく出る。
快楽と虚脱感で二人はしばらく呆然と、肩を寄せ合い、ソファにぐったりと横たわっていた。
また男とヤってしまった…
パンツとズボンをはきながら、知広は後悔していた。
多分酒を飲むとちょっとエロい気分になる癖が自分にはあるのだと、ようやく自覚した。
相手が美少年とはいえ、ほぼ初対面の男とでもできるって、酒の勢いって怖いとも思った。
これからどうしよう?
知広は二人分の精液を拭き取り、ティッシュで山盛りになったゴミ箱を見ながら思っていた。
時計は22時を指している。
善之介のうちに帰って、疑ったことを謝り、ごめんねのセックスをするのだろうか…
それはそれでだりー
知広は思ったけれども、それはそれで受け入れるしかないんじゃないかとも思い始めていた。
善之介とヤッて、坂本とヤッて、村瀬くんとヤッて、ゲイビに反応するオレは、立派な変態であるという事実をそろそろ受け入れるべきなんじゃないか…
今だって、ヤり終わったあとだというのに、もはや射精しただけでは飽きたらず、ケツにツッコんでほしいとさえ思っている。
―ピンポーン
インターフォンが鳴り響く。
「…誰だろ?こんな時間に。」
悠希が呟き、気だるげにソファから立ち上がった。