マワタデクルム。

2019.9.22作成 

マワタデクルム。

(2019.9.22更新)

蜘蛛の話を覚えているだろうか? 蜘蛛の巣に蝶が引っ掛かっている。 そのまま放っておくと、やがて蝶は蜘蛛に補食されてしまうのだけれども、どうするかって話。 君はかわいそうに思って蝶を逃がしてやるだろうか? オレは多分、違う […]

2019.9.21作成 

春野知広と佐々木善之介の話

(2019.9.21更新)

春野知広は、裸でベッドに横たわったまま、激しく求め合い、濃厚に愛し合った余韻に浸っていた。 力強く突かれた臀部の刺激と、精液で汚されぬるぬるとした感触すら心地よい。 そんな知広の髪を、頬を、しばらく撫でていた善之介が、お […]

2019.9.19作成 

春野知広と佐々木善之介の話

(2019.9.19更新)

「はっ…はっ…はっ…あんっ…あ…」 知広は善之介の上に乗り、腰をぎこちなく揺らし始めた。 ベッドがギッシギッシと音をたてる。 「…善之介、気持ちいい?」 知広が大きく息を吐きながら、切なげに尋ねる。 「…ん…気持ちいい… […]

2019.9.18作成 

春野知広と佐々木善之介の話

(2019.9.18更新)

「うっ…うんっ…うっ…」 知広は善之介の名前を呼びながら泣いていた。 「…善之介…善之介。」 ディルドで自らの出し入れするもののなかなかイクこともできず、中途半端に肉欲が刺激され、ぼんやりと感じることしかできなかった。 […]

2019.9.17作成 

春野知広と佐々木善之介の話

(2019.9.17更新)

「…善之介…オレのこと玩具にするの?」 電話口の向こうから知広の悲しみに満ちた震える声が聞こえる。 「嫌ならいいけど。」 善之介は鬼畜にも言い放った。 「…いい時間だし。電話も切るね。」 「ちょっ…ちょっと待って…」 知 […]

2019.9.16作成 

春野知広と佐々木善之介の話

(2019.9.16更新)

本当に望んでいた、予期せぬ喜びが訪れると、感情は言葉にならない。 拭っても拭っても、頬を伝い続ける涙を善之介は堪えることができなかった。 …と同時に、むくむくと沸き上がる情欲の炎。 「…善之介聞いてる?」 電話の向こうの […]

2019.9.15作成 

春野知広と佐々木善之介の話

(2019.9.15更新)

佐々木善之介がホテルに戻ると、シャワーを浴びた。 頭からシャワーを黙々と浴び、気持ちの整理をしたかった。 髪を拭きながらバスルームから出てきたそのとき、LINEの着信が鳴った。 春野知広からの着信だった。 「…もしもし? […]

2019.9.14作成 

King and Prince, vs…

(2019.9.14更新)

「…撮影ってなんの撮影?」 黒塗りの車を見送りながら、善之介が口を開く。 悠希は黙って俯いた。 「………」 俯く悠希を、怒ったようにしかめっ面をして善之介が見つめる。 「ふっ…」 それを見て坂本が鼻で笑う。 「…お前に関 […]

2019.9.13作成 

King and Prince, vs…

(2019.9.13更新)

睨み付ける坂本の顔を、善之介もじっと見つめ返した。 悠希はどうすることもできず、二人をまごまごと見守っていた。 「…キング!なにやってんだ!?!?!?」 黒スーツの男が駆け寄ってくる。 スタッフと思わしき複数人の男たちも […]

2019.9.12作成 

King and Prince, vs…

(2019.9.12更新)

佐々木善之介が家を出てから3週間が経った。 知広のいる家に帰るでもなく、シティホテルを転々としていた。 この日も授業が終わると、歓楽街に赴き適当に夕食を済ませ、ホテルに帰ろうとしていた。 LINEには知広から「会って話し […]

2019.9.11作成 

King and Prince, vs…

(2019.9.11更新)

学食を出てから、村瀬悠希の胸はざわつき続けていた。 佐々木善之介の前では平静を装い去ってきたものの、出席した授業中はずっと上の空だった。 佐々木くんとともぴょんが距離を置く。 それは自分のせいでもあるのだろうかと悠希は良 […]

2019.9.10作成 

春野知広と入来昭仁の話

(2019.9.10更新)

「…春野くん?」 トイレから部屋に戻った知広に、昭仁が気づいた。 「…あ…ごめん。起こしちゃった?」 起こさぬようにこっそり入ってきたつもりだった知広が謝る。 「…トイレ?」 「…うん」 扉から部屋の奥へ入ってきた知広の […]

2019.9.9作成 

春野知広と入来昭仁の話

(2019.9.9更新)

トイレの窓からは月がきれいに見える。 薄闇のなか、月光がほのかに差し込んでいる。 夜明け前の底冷えがして寒々しく感じられ、知広は、早くここから抜け出したいと思った。 ―善之助… 知広は自らの股間に手を伸ばし、ゆっくりと上 […]

2019.9.8作成 

春野知広と入来昭仁の話

(2019.9.8更新)

知広が目覚めると毛布がかけられていて、隣のベッドから昭仁の寝息が聞こえていた。 泣き疲れて寝てしまっていたようだ。 時計を見ると午前四時。 知広は毛布にくるまりなおした。 ―善之介はどうしているだろう? 善之介のことがぼ […]

2019.9.7作成 

春野知広と入来昭仁の話

(2019.9.7更新)

大学敷地内の奥に、昭仁の住む学生寮はある。 相も変わらず靴が散らばる、雑然とした玄関を通り抜け、階段を昇る。 入来昭仁の部屋は2階にあった。 知広がこの部屋に来るのは、善之助の家から逃げてたとき以来二度目だ。 「…ありが […]

2019.9.5作成 

春野知広と入来昭仁の話

(2019.9.5更新)

暖かくはなっていているものの、日が沈むと風が冷たい。 キャップをかぶりうつむき加減なのでよくは見えないが、泣き腫らした目が痛々しい。 何も話しかけない昭仁の後ろを、知広はただただついて歩いた。 「はい。」 カフェテリア脇 […]

2019.9.4作成 

失恋キング

(2019.9.4更新)

「や…あっ!!!」 壁に追い詰められながら、知広は無我夢中で腕を伸ばして抵抗した。 殴られた衝撃で、頭は朦朧とする。 「オレのものになれ!」 坂本が知広の両腕を掴み、壁に押し付け、唇にむしゃぶりつく。 「んっ…ふっ…!」 […]

2019.9.3作成 

失恋キング

(2019.9.3更新)

乾燥して埃っぽい教室は西陽が差し込んで、オレンジ色に染まっていた。 机や椅子の長い影ができている。 知広は教室の後ろで壁にもたれ、坂本の求めるがまま唇を許しながら、影が伸びていくのをぼんやりと眺めていた。 「…はぁ。」 […]

2019.9.2作成 

失恋キング

(2019.9.2更新)

後ろから3列目の窓際。 大教室での講義の時間の坂本の定位置だ。 この日も坂本は、講義を流し聞きしながら、ぼんやりと窓の外を眺めていた。 晴れた空を雲が流れていく。 いつものようにぼんやりと外を眺めてはいるが、頭のなかは知 […]

2019.9.1作成 

佐々木善之介と村瀬悠希の話

(2019.9.1更新)

「…は、春野くんに悪いから。」 善之介に他意はないと思うのだが、今の悠希には抵抗があった。 善之介が沈黙する。 長い沈黙が続き、次の授業が始りそうだった。 人が疎らになり始める。 「そろそろ僕らも行こうか…」 この場から […]

2019.8.31作成 

佐々木善之介と村瀬悠希の話

(2019.8.31更新)

村瀬悠希は昨日の晩から、春野知広と佐々木善之介のことを心配していた。 二人は帰っていったけど、仲直りできただろうか 知広とセックスしたことはバレてはいないだろうか 酒が入っていたことだし、入れてもいない。 いろいろな言い […]

2019.8.29作成 

佐々木善之介と村瀬悠希の話

(2019.8.29更新)

知広に距離を起きたい気持ちを伝えたあと、二人は特に話さなかった。 その晩も、善之介はベッドを知広に譲り、ソファで寝た。 ここのところ毎晩ソファで寝ているからだろう。 あまり疲れがとれていないのを善之助は感じた。 「今晩… […]

2019.8.28作成 

春野知広と村瀬悠希の話

(2019.8.28更新)

深夜の来客に玄関を見に行った悠希が血相を変えて戻ってきた。 「さ…佐々木くんが来てる!」 「えぇ!?!?!?」 小野さよ子の家で殴り回され犯された嫌な記憶が甦る。 「…善之介にここにオレがいること知らせたの?」 焦って問 […]

2019.8.27作成 

春野知広と村瀬悠希の話

(2019.8.27更新)

二人は顔を見合わせた。 童貞であることを告白してしまった知広がバツの悪そうな顔をする。 悠希は知広の頭をクシャクシャ撫でながら、微笑む。 「…いいよ。僕、処女はキングのために取っとくから。兜合わせでイこ?」 知広と悠希は […]

2019.8.26作成 

春野知広と村瀬悠希の話

(2019.8.26更新)

早送りを止めると男の気持ち良さそうな喘ぎ声が流れる。 肌と肌が触れあう音、荒々しい息づかい、ベッドの軋む音がやたらエロティックだ。 日焼けした坂本の程よく筋肉のついた二の腕。 肘から手首にかけての筋がキレイに浮き上がって […]

2019.8.25作成 

春野知広と村瀬悠希の話

(2019.8.25更新)

「…これ?坂本???」 知広は坂本主演のゲイビデオのパッケージと悠希の顔を交互に見た。 悠希が真っ赤になって恥ずかしそうにうつむく。 ラックをよく見ると一区画が全部坂本出演のゲイビデオになっていた。 「全部坂本?全部持っ […]

2019.8.24作成 

春野知広と村瀬悠希の話

(2019.8.24更新)

「ともぴょーん、大丈夫?」 テーブルに突っ伏したままの知広に、坂本が話しかける。 「…よかったじゃん。彼氏と終わってなくて。」 知広の髪に触れて微笑む坂本が、心なしか寂しそうなのを悠希は感じ取った。 「…よくない。…全っ […]

2019.8.23作成 

春野知広と村瀬悠希の話

(2019.8.23更新)

夜の学食は人もまばらだった。 知広と坂本は学食の一番端のテーブルに向かい合わせに座った。 坂本はカレー。知広はかに玉を、それぞれオレンジのトレーにのせて食べていた。 学食を待ち合わせに指定したのは知広だった。 また居酒屋 […]

2019.8.22作成 

春野知広と村瀬悠希の話

(2019.8.22更新)

目覚めると日は高く昇り、時計の針は12時すぎを指していた。 カーテンを開けると眩しい光が部屋のなかを明るく照らし出す。 善之介はすでに出掛けたようだった。 ソファには夜寝るときに着ていたスウェットと毛布がかけられていた。 […]

2019.8.21作成 

遠い夜明け

(2019.8.21更新)

知広が急いで家に帰った。 玄関のドアノブを回すと鍵が開いている。 知広は恐る恐るドアを回し、扉を開けると暗い玄関に入った。 暗い廊下の奥から少し光が漏れているような気がする。 「た…ただいま…」 廊下の奥の扉を開けながら […]

2019.8.17作成 

遠い夜明け

(2019.8.17更新)

どれだけ眠っていただろう。 ふと目覚めた知広は、時間が気になり携帯を見た。 「今、どこにいる?」 善之介からのLINEの通知画面に目を見張る。 …ヤ、ヤバい!!! 知広は反射的に思った。 時計は午前5時を少しすぎたところ […]

2019.8.15作成 

キングの話

(2019.8.15更新)

「…あ…イヤ…や、やめて…」 骨盤からさらに奥へ。 股間に伸ばそうとする坂本の腕を、知広は両手で掴んで止めようと突っ張った。 「なんで?超硬くなってんじゃん。」 坂本が舌舐めずりしながら言う。 「逆につらくない?」 知広 […]

2019.8.14作成 

キングの話

(2019.8.14更新)

「オレ、ゲイビの男優やってんの。これでもキングっつって。その筋じゃ有名なのよ?」 …ゲ、ゲイビですかー!?!?!? 知広は叫びたくなるほどの驚きを、心の奥底にしまった。 本人を目の前にして傷つけるわけにはいかない。 善之 […]

2019.8.13作成 

キングの話

(2019.8.13更新)

「ともぴょーん、映画みたいじゃーん。」 誰もいないと思っていたのに。 拍子抜けに明るい声で話しかけられ、知広は目をごしごしぬぐい、真っ赤になった顔を隠すように上目使いに正面を見上げた。 「ん。彼氏とでもケンカした?」 目 […]

2019.8.12作成 

村瀬悠希の話

(2019.8.12更新)

一晩明けて、知広は善之介の通う医学部の校舎に行ってみることにした。 駐車場に停められている善之介の車を探して、帰ってくるのを待つ作戦に出た。 …若干軽くストーカー気質 知広は自分でも感じたが、電話もLINEも通じないまま […]

2019.8.11作成 

村瀬悠希の話

(2019.8.11更新)

月曜日は学校に行き、知広はいつものように図書館で善之介を待っていた。 「閉館でーす。」 階下から守衛のおじさんの声がする。 ―9時か。 知広は時計を見た。 夕飯も食べず、放課後から善之介が迎えに来るのを待っていたが、アイ […]

2019.8.10作成 

村瀬悠希の話

(2019.8.10更新)

知広は善之介にLINEを送った。 「善之介どうしたの?大丈夫?」 「うん。」 「今どこにいる?」 メッセージは既読になったものの、そこから返事は特になかった。 電話もかけたが出てくれなかった。 なにか事故でも起こしたかと […]

2019.8.9作成 

村瀬悠希の話

(2019.8.9更新)

「佐々木くん、これから帰る?ちょっと相談したいんだけど。」 佐々木善之介は村瀬悠希(むらせはるき)とクラスメートだったが、話したことはほとんどなかった。 まともに話したのはこの日が初めてだった。 明るい茶髪のふわふわした […]

2019.8.8作成 

干からびた蛹

(2019.8.8更新)

射精するごとに干からびていくみたいだ。 オレはともぴょんを愛してる。 だのに、なぜ、ひどくして傷つけてしまうのだろう。 嫉妬に狂い、壊れていく自分。 そして、大切なはずのともぴょんを壊してしまいそうな自分。 嫉妬と自己嫌 […]

2019.8.7作成 

干からびた蛹

(2019.8.7更新)

図書館の三階以上はより専門的で古い資料の書庫になっていて、よほど熱心な学生でない限りほとんど足を踏み入れる人はいなかった。 「…あ。」 後ろから耳を舐められ知広の吐息が漏れる。 古い書籍の紙のにおいがする。 動くたびギシ […]

2019.8.6作成 

干からびた蛹

(2019.8.6更新)

次の日の放課後。 知広は誰ともしゃべらず図書館でレポートに取り組みながら、善之介が迎えに来るのを待っていた。 図書館二階の窓際の四人がけの席。 借りてきた本をパラパラ捲りながら、引用箇所をノートに書き写す。 「昨日の怖い […]

2019.8.5作成 

干からびた蛹

(2019.8.5更新)

「くわえてよ。」 家に帰っても善之介の暴力的なセックスは続いた。 抵抗もできず、言われるがままに善之介のぺニスをくわえた知広の頭を押さえつけ、善之介は無情にも腰をふる。 喉の奥を突き上げられ、むせかえるのを必死に耐え、涙 […]

2019.8.4作成 

干からびた蛹

(2019.8.4更新)

「…ちょ、ちょっと!…善之介!?どーしたの!?!?!?」 善之介は知広の手をつかんでずんずん歩いていく。 「腕痛ってーよ!善之介!?離してよ。」 善之介はトイレに入ると友広を個室に投げ入れ、後ろ手に鍵をかけた。 知広は個 […]

2019.8.3作成 

干からびた蛹

(2019.8.3更新)

「…また派手にフラれたね。」 背後から聞き覚えのある声が聞こえる。 振り向くとそこには入来昭仁(いりきあきひと)が立っていた。 「大丈夫?むっちゃいい音してたけど。」 「…あ…うん。…まぁ。」 オレはまだ少しヒリヒリ痛む […]

2019.8.2作成 

繭の中

(2019.8.2更新)

久々に出た講義は思いの外進んでいた。 立て続けに講堂での授業が続く。 オレは後ろの隅っこのほうに座り、できるだけ目立たないようにして、授業をやり過ごした。 こうして、無難に月曜日がすぎ、火曜日がすぎ、水曜日。 朝は善之介 […]

2019.8.1作成 

繭の中

(2019.8.1更新)

月曜日。 オレは、朝から善之介に学校まで送ってもらった。 帰りは、善之介の授業が終わって迎えに着てもらうまで、図書館で待ってることになった。 文系のオレは、善之介とは校舎が違う。 「じゃまた、夕方。待ってるね。」 車を降 […]

2019.7.31作成 

繭の中

(2019.7.31更新)

ベッドの脚から鎖に繋がれてるんだ。 ベッドの脇にはポリバケツが置かれていて、善之介の留守中はそこで用を足す。 オレは裸に白いバスローブを着て、学校へ行く気力もなく、日がな一日、ただ寝ていた。 ただ寝ているだけでも、腹減る […]

2019.7.30作成 

ハニトラ!

(2019.7.30更新)

「じゃあな。」 善之介がさよ子に声をかけたとき、さよ子は風呂場でガタガタ震えていた。 「ともぴょんもなんか言ったら?」 さよ子が顔をあげた。 「…じゃあ…ね…」 さよ子はなにか言いたげだったが、オレはさっさと踵を返した。 […]

2019.7.29作成 

ハニトラ!

(2019.7.29更新)

善之介の舌が唇から首筋を伝っていく。 その手はケツを撫でながら、割れ目へ。 そして、穴へと這って行く。 「…あ」 指が挿入される。 人差し指だけだったのが、中指、薬指と入れられ、なかでバラバラと動かされ、腸壁を刺激させる […]

2019.7.28作成 

ハニトラ!

(2019.7.28更新)

「…なんでもするから!!!」 さよ子のほうに向かおうとする善之介にすがりつき、オレは懇願した。 「なんでもするからさよ子には手をあげないでくれよ…」 善之介は目を細めてオレを見た。 「…じゃあ、舐めて気持ちよくしてよ。」 […]

2019.7.27作成 

ハニトラ!

(2019.7.27更新)

善之介の声は笑っているが、全く笑っていない目に、静かな怒りが伝わってくる。 ―なんで、善之介がさよ子の家に? 驚きと恐怖で、オレはその場に立ちすくんだ。 「ごめんね、春野くん。嘘ついてぇ。」 キッチンのほうにいたさよ子が […]

2019.7.26作成 

ハニトラ!

(2019.7.26更新)

「おはよ。よく眠れた?」 目覚めるとさよ子がいる。 久々にみそ汁のいい匂いをかいだような気がした。 手づくりの朝飯がうますぎて、朝からおかわりしたのは高校生以来だ。 朝飯を食べたオレは学校に行く準備をした。 「今日は何時 […]

2019.7.25作成 

春野知広と小野さよ子の話

(2019.7.25更新)

さよ子の部屋は意外にもこざっぱりはしているものの、程よく女性らしい部屋だった。 白を基調にしたインテリアで統一されているからかもしれない。 「インテリアで統一」とはいっても、6畳一間にシングルベッドとローテーブル、テレビ […]

2019.7.24作成 

春野知広と小野さよ子の話

(2019.7.24更新)

「よろしくお願いします。」 さよ子の声が聞こえた。 思わず頭をあげるオレ。 さよ子が頭を下げていた。 「こ…こちらこそ!」 慌てて頭を下げなおすオレにさよ子が微笑んだ。 この後のことは覚えていない。 味とかよく分からない […]

2019.7.23作成 

春野知広と小野さよ子の話

(2019.7.23更新)

さよ子と二人きりで飲むのは初めてかもしれない。 お昼を食べたり、お茶したり、そういうことは何度かあったけれども、夜こうして二人きりで会うのは初めてだ。 それにしてもさよ子にフラれて約1ヶ月。 自分からフッておいて、今さら […]

2019.7.22作成 

春野知広と小野さよ子の話

(2019.7.22更新)

ほどなく、ベッドの方からは、入来昭仁の穏やかな寝息が聞こえてきた。 ―いつ男に犯されるか分からない。 身を堅くしていた知広は、身体に入った力を、ようやく抜くことができた。 入来くん、いいヤツだなぁ。 そんないいヤツを疑っ […]

2019.7.21作成 

入来昭仁の話

(2019.7.21更新)

男子学生用の学生寮は学校と同じ敷地内の奥まった一角だ。 靴が乱雑に散らばる玄関から見える階段を昇り、2階に入来昭仁の部屋はあった。 昭仁の部屋は一学年上の先輩と相部屋だった。 この寮は、学年が上に上がると独り部屋になるよ […]

2019.7.20作成 

入来昭仁の話

(2019.7.20更新)

さすがに11月ともなると夜は冷え込むなと入来昭仁(いりきあきひと)は思った。 寮住まいだから部室まですぐそことはいえ、風呂上がりの身体だ。 もう一枚上に着てればよかった。 ケータイなくしたことといい、今日は失敗続きだ。 […]

2019.7.19作成 

小野さよ子の話

(2019.7.19更新)

ついに架純にも彼氏ができたかー… 友だちが幸せなことは喜ばしいことだが、小野さよ子は自分だけ恋人がいないことに内心焦っていた。 今年のクリスマスまでにはあと2ヶ月をきっていて、去年一緒に過ごした友だちはみんなめでたく恋人 […]

2019.7.18作成 

春野知広とその母親の話

(2019.7.18更新)

母との電話を切ったオレの頭のなかは明晰だった。 昨日の夜、善之介とセックスして。 朝微睡みながら、善之介とセックスして。 ぼんやりと時間を過ごしていたが、母親の声だけで、現実に引き戻されてしまった。 母は偉大。 現 実 […]

2019.7.17作成 

春野知広とその母親の話

(2019.7.17更新)

授業があるから。 善之介は一限目から学校に行った。 オレは、ぼんやりしながら朝の情報番組を見てた。 ふとケータイを見ると珍しく、昨日、母からの電話があったようだった。 着信が1時間ごとに3回ほど入っていた。 「…もしもし […]

2019.7.16作成 

春野知広とその母親の話

(2019.7.16更新)

セックスしたあと、オレたちは眠っていたようだ。 風呂場で失神したせいもあったのかもしれない。 今日もいろいろあって疲れてしまった。 今ただ眠りたい。 現実が夢なのか。 夢が現実なのか。 夢か現か分からなくなればいい。 善 […]

2019.7.15作成 

マワタデクルム。

(2019.7.15更新)

蜘蛛の巣に蝶が引っ掛かっている。 そのまま放っておくと、やがて蝶は蜘蛛に補食されてしまうのだろう。 君はかわいそうに思って蝶を逃がしてやるだろうか? オレはどうだろう? あるいは、オレは、蜘蛛の方をかわいそうに思うかもし […]

2019.7.14作成 

春野知広の引っ越し

(2019.7.14更新)

気がつくとオレは大判のバスタオルにくるまれ、ベッドに寝かされていた。 カーテンは敷かれ、ダイニングの方から漏れている明かりで、ぼんやりと薄闇のなかだった。 もう夜か。 あまりにもしつこく弄り回されたからか、下半身が熱を持 […]

2019.7.13作成 

春野知広の引っ越し

(2019.7.13更新)

「…あ…んっ…」 オレの住んでたボロアパートとは気密性が違うのだろうか。 風呂場はかなり蒸して息苦しい。 湯加減も少し温めなのかもしれない。 蒸気が上がり、石鹸の香りだろうか。 蒸気とともになんとも言えないいい香りが充満 […]

2019.7.12作成 

春野知広の引っ越し

(2019.7.12更新)

善之介の家は四ッ谷番町にあった。 新宿通りを奥に入ったところの大きなマンションが立ち並ぶ、そのひとつが善之介の家だ。 親の所有するマンションのひとつなのだそうだ。 エレベーターで20階…最上階に昇る。 ドアを開けると廊下 […]

2019.7.11作成 

春野知広の引っ越し

(2019.7.11更新)

確かにオレは引っ越すことを決心したんだけど。 アパートの部屋のオレの荷物がない。 ない! ない! キレイさっぱりない!!! 脱ぎっぱなしで置いてた服も! 敷きっぱなしの布団も! 読まずに積んどくだけの本も! どこへ!?! […]

2019.7.10作成 

春野知広の引っ越し

(2019.7.10更新)

女に振られ、男に掘られたあの悪夢のような日から1ヵ月が経とうとしている。 毎週のようにさよ子とはゼミで会うけども、授業で話す以外は話すことも特にはない。 そういえばこの前、帰り際に 「サークルの忘年会には善之介くんと来て […]

2019.7.9作成 

昨日の出来事

(2019.7.9更新)

昨日のことは覚えていない。 春野知広は思った。 例え覚えていたとしても、覚えてない。 昨日は、さよ子にコクって、フラれて、善之介と酒飲んで 泥酔して、家まで送ってもらって、それから… それから…? 「ケツいて。」 起きた […]

2019.7.7作成 

佐々木善之介の話

(2019.7.7更新)

何度忘れようと思ったかは分からない。 知広くんは男なんだ。 女が好きな男なんだ。 小野さよ子が好きな男なんだ。 何度も忘れようと思った。 もし、ともぴょんが、さよ子とうまくいかなかったら? そのときはチャンスなんだろうか […]

2019.7.7作成 

佐々木善之介の話

(2019.7.7更新)

入学式。 例年に比べて遅咲きの桜が舞い散るなか、私が初めて見たのが、春野知広だった。 久々に見た桜の花の下、花に負けじとピンクに染まった彼の頬と唇が印象的だった。 「あ。」 ふいに吹いた春風に、知広くんの持っていた入学式 […]

2019.7.6作成 

佐々木善之介の話

(2019.7.6更新)

ちいさいころは、おかあさんがいませんでしたが、おとうさんとしあわせにくらしていました。 きのうは、となりにすんでるゆきちゃんにすきだといわれました。 きょうは、としうえのかおりちゃんにすきだといわれました。 でもぼくはど […]

2019.7.6作成 

春野知広が小野さよ子にフラれた話

(2019.7.6更新)

「諦めないわけじゃないんだよ!?ストーカーじゃないんだから!!!すみませーん!焼酎2つと!!!あとウィスキー…ロックで!!!」 生ビールのジョッキを煽って、注文したぐらいから記憶は曖昧。 善之介が飲みに誘ってくれたもんだ […]

2019.7.5作成 

春野知広が小野さよ子にフラれた話

(2019.7.6更新)

オレがさよ子にフラれたのは、大学2年の秋だった。 なんでも好きな男がいるのだそうだ。 さよ子は同じゼミの同級生だ。 彼氏いないってリサーチぐらいはしてたし。 いい感じで仲よくなれてると思ってたけど、俺は「いい友だち」らし […]

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