善之介の舌が唇から首筋を伝っていく。
その手はケツを撫でながら、割れ目へ。
そして、穴へと這って行く。
「…あ」
指が挿入される。
人差し指だけだったのが、中指、薬指と入れられ、なかでバラバラと動かされ、腸壁を刺激させるのを感じた。
「あっ…あああああああああっ!!!!!」
善之介の腰の進みに合わせて、オレは声をあげた。
ほぐれたとしても、ケツに異物が入ってくるのに慣れないオレは、さよ子に聞こえるのが分かっていながら、声をあげるのを止められなかった。
「あっ…あっ…あっ…」
ギシギシとベッドが軋む音に呼応して声が出る。
「はぁ…はぁ…ここ…どう?」
「いやっ…ぁあっ!!!」
今まで感じたことのない快楽がオレの脳内を刺激する。
ケツを突かれてるのにも関わらず、甘く切ない刺激が、玉からチンコに伝わってくる。
善之介がケツを刺激するごとに、ビュルビュル止めどなくチンコから精液が溢れ、オレの下腹部のビショビショに濡らしていくのを感じた。
「…ははは…ともぴょん、トコロテンしてんじゃん。」
新しい玩具を与えてもらった子どものように、善之介は楽しそうに声をあげた。
「…イヤッ…ぁあっ…イヤッ…あんっ…。」
泣いているのか感じているのか、自分でもよく分からない。
女のような声を出し続けた。
男に抱かれるなんて、心は気持ち悪いのに、身体は気持ちいい。
善之介に突かれるごとに、心と身体がバラバラに反応して、訳が分からず混乱する。
混乱と快楽のなか、朦朧とする意識のなかで、善之介の腰の動きだけが伝わってくる。
善之介とのセックスは、身体も心も、全部。
丸ごとオレを支配するようだった。
「んん…ともぴょん…ともぴょん。」
善之介の腰の動きが早くなる。
パンパンと肌の触れあうリズミカルな音が、鼓動と一緒になって響いてる。
「あっ…はぁ…。」
善之介のため息とともに、ビュッと勢いよく、精液が体のなかを逆流するのを感じた。
下腹部が温かくなる。
善之介のチンコがずるりと出てくるのと同時に、オレのチンコから、そしてケツから、ドロドロとした精液が流れ出ていく。
「はぁ………」
だらりと放心したオレの耳元で、善之介が囁く。
「さよ子ちゃんよりいいね。」
「…今、なんつった?」
白濁とした意識のなか、オレは聞き間違えたかと思って、もう一度聞き返した。
「ともぴょんは、さよ子ちゃんよりもキツくて、たまんない。」
―さよ子よりもオレがいいって?
善之介がさよ子も、オレみたいに抱いたってこと?
オレが大事に守ろうとした、さよ子は一体どこへ?
白くてふわふわして、天使みたい。
透明なさよ子。
しかも、オレ、男なんだけど…
好きな女とセックス比べられるとか…
オレのなかで大切に守ってきたさよ子がガタピシと音を立てて崩れていく。
愛する女を奪われた男に、女みたいに抱かれ、男としてのプライドが木っ端微塵に砕かれた気がした。