春野知広と入来昭仁の話

知広が目覚めると毛布がかけられていて、隣のベッドから昭仁の寝息が聞こえていた。
泣き疲れて寝てしまっていたようだ。

時計を見ると午前四時。
知広は毛布にくるまりなおした。

―善之介はどうしているだろう?

善之介のことがぼんやりと頭に浮かぶ。

「ヤり捨てだったのかは分かんないけど、犯される続けるよりはいいんじゃないの?解放されて。」

知広は昭仁の言葉を思い出し、善之介のことを振り払うように頭を振った。

「犯される続けるよりはいいんじゃないの?解放されて。」

確かに昭仁の言う通り。
だのに、オレはどうしてしまったんだろう?
ヤり捨てされたのがそんなにショックなのだろうか?

知広は寝返りをうった。
毛布だけでは少し肌寒い。

―…

知広は善之介の体温を思い出した。

善之介の指を
善之介の息づかいを
善之介の唇を
善之介のペニスを

思い出し、胸が…体が熱くなる。
知広は思わずため息をつき、起き上がった。

 

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