早送りを止めると男の気持ち良さそうな喘ぎ声が流れる。
肌と肌が触れあう音、荒々しい息づかい、ベッドの軋む音がやたらエロティックだ。
日焼けした坂本の程よく筋肉のついた二の腕。
肘から手首にかけての筋がキレイに浮き上がっている。
腰から尻の筋肉がなまめかしくよじれ、躍動する。
坂本のセックスを見ながら、知広は善之介の体の動きを思い出していた。
善之介はもっとねっとりと腰を動かす。
多分、チンコが坂本よりちょっと長いのかもしれない…
「ともぴょん!」
「…え!?…え!?…何???」
映像と妄想に没入していたところ、突然悠希に呼び掛けられ、知広は動揺した。
「…鼻息荒くなってるよ。」
悠希がくすりと笑う。
知広は我に返って赤面した。
「ね?これ気持ち良さそうでしょ???」
ネコのほうの男が坂本に突かれるごとに、喘ぎ声をあげ、チンコをビクンビクン痙攣させている。
見ている知広のほうも尻の穴がひくつくのを感じた。
「ともぴょん、これ、実際は痛いの?」
悠希が隣でいたずらっぽく笑いながら知広に話しかけてくる。
「…え?…あ…う、ううん。」
知広は初めてのゲイビに見事に反応する自分に驚いてもいた。
「…ヤ、ヤる人によるんじゃないかな?」
声が上擦る。
「佐々木くんとはどうなの?」
「…え?…ぜ、善之介は…う、うまいと思うよ。その時々によるけど。やさしいときは…」
善之介がやさしいときは…
知広は、善之介の指使いを思い出した。
中指を入れ、ほぐれるまで腸壁の感じるところをなぞり、丁寧に出し入れしたあと、二本、三本と指を増やしていくのだ。
…そして、十分にほぐれたら、腰を進め…
…ヤバい!!!
「ちょっ…トイレ借りていい?」
「ど、どうしたの?ともぴょん???」
知広が立ち上がろうとしたとき、悠希が顔を近づけてきた。
「勃起した?」
悠希が知広のズボンの前に手を伸ばす。
「…僕に見せてよ。」
「…む、村瀬…く…」
悠希が知広の唇に触れるか触れないかのキスをした。
「む、村瀬っ…」
知広が我慢しきれず、悠希の唇にむしゃぶりつく。
唇を何度も重ね、舌を入れ、口内をなめ回した。
唾液が混ざり合い、息をする度唇を離すと糸を引く。
二人はお互いの腕を絡め、乳首を舐め、首筋を噛み合い、仔猫のようにじゃれ合った。
「…村瀬…くんだって、勃起してんじゃん。」
知広が悠希に馬乗りになり、ズボンのチャックを降ろす。
「ともぴょん、入れるの?…怖いよ…」
「…オレだって…怖いよ…」
知広が腰を引いて、ソファに座り込んだ。
「オレ、童貞だもん…処女じゃないけど。」
「僕、処女だよ…童貞じゃないけど。」