春野知広の引っ越し

「…あ…んっ…」

オレの住んでたボロアパートとは気密性が違うのだろうか。

風呂場はかなり蒸して息苦しい。
湯加減も少し温めなのかもしれない。
蒸気が上がり、石鹸の香りだろうか。
蒸気とともになんとも言えないいい香りが充満しているのを感じた。

「はっ…うん…」

オレは頭からぐっしょりと汗ばみ、頬が紅潮してるだろう。
涙目になり、口をポカンとあけたオレは、端から見ると間抜けだろうなと思う。

オレは湯船のなか、善之介の膝にのせられ、下半身を好き放題にいじり回されていた。

…なんにもされないかもしれないって?
そんなわけはないのは善之介の欲望に満ちた燃えるような目を見れば分かる。

「あっあっ…」

大量に消したと思った写真のデータはすでにバックアップがとられており、オレは半分自暴自棄になっていた。
頭はぼんやりしていたし、息苦しいし、もうどうとでもなれという気分でもあった。

「あっ…あん…あぁっ………うっ」

湯船のなかにぬるぬると白く濁った精液が、湯の花のように広がった。
生臭い精液の臭いと石鹸の香りが混ざりあって、なんとも言えないエロい匂いが漂う。

「ともぴょん、いっぱい出たねぇ。」

耳元で善之介がニヤニヤしながら囁く。
オレは尾骨に善之介自身が堅くなっているのを感じていた。

…セックスするんだろうか

オレは覚悟した。
湯船から出てセックスしたら少し熱もおさまるかもしれない。
少なくともこの息苦しさからは解放されるんじゃないかなと思った。

「…もうちょっと…気持ちよくなろうか?」

善之介はペロリと唇を舐めた。
イッた直後で敏感になっているオレの下半身を執拗に弄りまわす。

「…いやぁっん!!!あぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

自分では感じたことのない刺激に、オレは涙目になりながら身をくねらせた。
電流が走ったみたいにビクビクのけ反り、声が裏返ったことに驚いた。

浴槽の向こう側には足が届かず、空回りバシャバシャと水音がたつばかりで、一向に抵抗できない。
オレは肩を押させつける善之介の左腕に捕まりながら、懇願した。

「…はぁっ…はっ…ぁん!…あぁ!!!…やめてっ!!!」

善之介は攻めの手を緩めない。

「やめっ!!!やめてっ!!!!ああああああああ!!!!!
あぁ!…あんっ!!!…善之介ぇぇぇ!!!!!」

目の前が真っ白になる。
オレの意識が、熱気と息苦しさと快楽の渦に飲み込まれていった。

 

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