月曜日は学校に行き、知広はいつものように図書館で善之介を待っていた。
「閉館でーす。」
階下から守衛のおじさんの声がする。
―9時か。
知広は時計を見た。
夕飯も食べず、放課後から善之介が迎えに来るのを待っていたが、アイツは来なかった。
知広はため息をつき、勉強道具を片付けた。
LINEの返信も連絡も特にはない。
「帰るよ?」
知広は打とうかとも思ったが躊躇した。
善之介、先帰ってるかもしれないし。
マンションに帰っても部屋に明かりはついていなかった。
知広はテイクアウトしてきた牛丼を食べた。
ちょっと冷えてるからあまりおいしくないのかなと思った。
ケータイを除きこむが連絡は特にない。
テレビを観ても集中できず、風呂に入って、再びケータイをチェックするがなんの音沙汰もなかった。
「今日も帰らないの?」
我慢できずに送ったメッセージは既読にもならない。
「オレのこと嫌いになったの?」
立て続けに送りかけるが、さすがに重いかも知れないと思って辞める。
単純に寂しいんだろうか。
善之介になにを期待してるのだろう。
知広は思った。
「ごめん、今から帰る。」
そんな返信が来たらうれしいのだろうか。
そして、帰ってきたらいつものように、いや、間が開いた分いつもよりも濃厚なセックスしたいんだろうか。
「…善之介。」
知広は善之介を思いながら、股間をしごき始めた。
善之介がするみたいに先のほうをグリグリいじる。
「…あっ…あっ」
もしかすると、善之介はチンコをなめてくれるかもしれない。
「…ん。あ…気持ちいい。はぁ、あっ。」
善之介はオレがイッたあとの精液をオレのケツと自分のチンコに塗って潤滑油みたいにしてオレを犯すんだ。
「…あん。」
知広は仰向けになって、指を尻に挿入した。
キツくて恐くて、一本入れるのがやっとだった。
その指をピストン運動させる。
「んっんっ…あっ!あっ!…善之介…もっと…」
穴を弄り回してあえぎ声をあげ続けながら知広は思った。
もっと太いので激しく突いて…
物足りなくて、さみしくて、どうしようもなく切なくて、胸が締め付けられるように痛い。
善之介とセックスしたい。
もう一回でいいから善之介とセックスしたい。
善之介がなにをしているのか皆目検討がつかないけれど、このまま一言も別れ話もなく、フェードアウトはつらい。