「はぁ………はぁ………。」

悠希の舌の動きに呼応するかのように、坂本は腰を振っていた。
目がとろんと虚ろになり、半開きの口からは吐息が漏れる。

「…あ………はぁ………………。」

―――ともぴょん。

ぼんやりと虚ろな意識のなか、坂本は知広の姿を思い浮かべていた。
知広がぽってりとした唇でフェラチオをする妄想が頭のなかを駆け巡る。

悠希は、口内で坂本が固くなっていくのを感じていた。
坂本が気持ちいいと感じて、悠希の股間はさらに熱くなった。

「…ん…はぁ。」

ドロリとした精液が悠希の喉奥を流れていった。
一度に飲み込めず、喉に絡まる精子に、悠希はえずいた。

「…あの………キング、僕も気持ちよくして。」

悠希が坂本におねだりをする。

「…ん。」

坂本は悠希に再びディープキスを始めた。
瞳を閉じるとそこには知広の姿が見える。

「…キング。」

キングの頬を両手で挟んで、悠希は横たわりながら、自らに引き寄せた。

瞳を開けるとそこあるのは悠希だ。
坂本は現実に引き戻され、チンコも縮んでいくのを感じた。

悠希にキスをする。
悠希に愛撫する。
悠希が嬌声をあげる。
悠希のチンコは敏感で痛そうなほど赤く勃起していた。

うっとりする悠希と、坂本の間には心の距離があった。
体は重ね合わせていても、燃え上がる悠希に対して、坂本は平静に冷めていく。

「…キング、…キング、僕に入れて。」

悠希がため息を漏らしながら、坂本を求めた。
しかしながら、坂本はそれに応じることができなかった。

「やっぱ、オレ、今無理だわ。」

悠希の上で愛撫していた坂本だが、天井に向き直って言い放った。

「キング………?」

悠希の声が途端に涙声になる。

「てか、今のオレ、勃たねーんだもん。」

坂本がゴロリと悠希とは逆のほうを向いた。

「…キング、………ごめん。」

ベッドの上に正座し、悠希は呟いた。

「謝ることねーよ。…オレが悪いんだから。」

坂本が肩越しにこちらを向いて話す。

「テキーラ入れて全部忘れて前後不覚にでもなれば、抱けんのかね~。」

坂本が続ける。

「こないだみたいにさ。」

押し殺しているようだったが、悠希の泣き声が途切れ途切れに聞こえる。
坂本はそれを背中で聞きながら、うつらうつらし始めた。

「僕だからダメなの?」

悠希が尋ねる。

「違うよ。」

坂本ははっきり答えた。
しばらく沈黙が続く。

「ともぴょんなら勃つの?」

聞こえているのか分からない坂本に対して、悠希は再び聞いた。
返事はない。
代わりに安らかな寝息が聞こえてきた。

夜明け頃、二人はホテルを後にした。

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